〜日本矯正歯科学会で杉森先生がコルチコトミーの真実を講演〜

この度、10月5ー7日に大阪国際会議場にて日本矯正歯科学会学術大会が開催されました。

研究発表においては、応募されたポスター発表の中から特に注目すべき内容が、口演発表として選出されます。

私は所属している大学の医局員として今年も、以前から継続している加速矯正の基礎研究をテーマにしたポスター発表を応募したところ、な初めて口演発表として選出されました。

もちろん、私の研究の師匠である当院顧問の山口先生も共同研究者のひとりです。

講演

この学会にて、このテーマのプレゼンテーションが選ばれるのは、海外からの演者はいままで複数ありましたが、日本人としては初めてです。

世界では様々な矯正学会で必ずと言っていいほどピックアップされていながら、日本では長年にわたって陽のあたらなかったこの研究テーマが、今回、ようやくとりあげられたことに深く感銘を受けました。

歯周外科処置による歯の移動促進は、現在では、様々な研究によって明らかとなっています。

今回はその安全性について、基礎研究目線でのプレゼンテーションをさせて頂きました。

基礎研究目線でのプレゼンテーション

この場をお借りして、このような貴重な機会を与えてくださった大会主催の先生方には深く御礼申し上げます。

単純に考えれば、歯を速く動かせば矯正治療が短期間で終わると思ってしまいがちですが、私が歯科医師として駆け出しのころ、

理事長の深沢に、

「速く動いたからといって、早く終わらせられるとは限らない」

と言われたのを、ことあるごとに思い出します。

そもそもの『歯の動き』すなわち、どのような力をどの方向にかけた時に、どのように歯が動いていくのか、それを本当の意味で理解しているドクターだけが、移動を促進させたときに短期間で治療が終わらせられるということです。

そのためには、多くの知識と経験が必要です。

今後も、この研究を続け、今回の大会のテーマでもあった、『安心、安全な』加速矯正を実現するための一助となれればと考えております。